気候変動への対応

気候変動への対応についての基本姿勢

エア・ウォーターグループは事業活動に多くのエネルギーを使用しているため、温室効果ガス排出量の削減をしていくことは当社グループが持続的な事業活動を行っていくために不可欠であると考えております。そのため、CO2排出量の削減をエア・ウォーターグループの環境に関する重要課題として定めております。
また、エア・ウォーターグループは、経団連の低炭素社会実行計画への取り組みに日本化学工業協会を通じて参画しています。その他、エア・ウォーターグループは事業による社会課題解決への貢献の一つとして「クリーンエネルギーソリューション」を掲げております。木質バイオマス発電事業やLNG・LPG事業の拡大を通じてお客様が排出する温室効果ガス排出量の削減に貢献してまいります。

CO2排出量の削減目標

エア・ウォーターグループは産業ガスプラントによる酸素・窒素の製造を中心に、事業活動で多くのエネルギーを使用しており、これに伴うCO2を多量に排出しています。プラントの効率的な稼動や高効率な最新設備導入によりCO2排出量の削減をしており、2018年度は省エネ法の特定事業者に指定された会社※1,594千t-CO2を排出しましたが、2013年度比で約3.2%削減しています。今後はCO2排出量を2013年度比で2021年度までに6%、2030年度までに15%削減することを目標としてCO2総排出量削減の取り組みを強化していきます。

※エア・ウォーター(株)およびグループ会社22社(計23社)

CO2排出量削減目標

CO2排出量の中長期計画

エア・ウォーターグループでは温室効果ガスを中長期的に削減するため、省エネ法の特定事業者に指定されたエネルギー消費量の多い会社では、中長期計画を策定し設備投資や運用の改善を行い、積極的に温室効果ガス排出量の削減に取り組んでいます。中長期計画における代表的な項目は以下の通りです。

※横スクロールでご覧いただけます。

対象工場 内容 削減効果
(t-CO2/年)
実施年度
エア・ウォーター(株)
鹿島工場
  • 高効率酸素プラントの新設等
9,598 2021年度
近畿エア・ウォーター(株)
三重ガスセンター
  • 窒素プラントの排ガスを再利用するための設備改造等
4,904 2021年度
エア・ウォーター(株)
宇都宮工場
  • 複合貯槽の新設
2,401 2019年度
ゴールドパック(株)
恵庭工場
  • PET1号ライン更新によるライン全体の省エネ化等
927 2019年度

産業ガスプラントにおけるCO2排出量削減の取り組み

エア・ウォーターの産業ガスプラントでは、空気を原料として酸素、窒素、アルゴンなどを製造していますが、その製造には多量の電力を使用しています。そのため電力会社の火力発電所などを通じ間接的にCO2を排出しており、CO2排出量の削減はエア・ウォーターにとって重要な課題です。
エア・ウォーター(株)の宇都宮工場では2017年に老朽化したプラントを最新のVSUA(小型液化酸素・液化窒素・アルゴン製造装置)に更新をして、製造効率を向上しており、CO2排出量を2017年度は前年度比7.7%、2018年度は前年度比13%削減しています。2019年度は老朽化した貯槽の更新を予定しており、放出によるロスなどを削減することで更なる温室効果ガスの削減をしていく予定です。

温室効果ガス排出量の算定

サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量の算定(Scope3)

エア・ウォーターグループは燃料使用に伴う温室効果ガス排出量(直接排出(Scope1))、電力の使用に伴う温室効果ガス排出量(間接排出(Scope2))を算定しておりますが、2019年より供給者や顧客が排出する温室効果ガス排出量など、サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量(Scope3)の算定に取り組んでいます。

温室効果ガス排出量の第三者検証

エア・ウォーターグループは温室効果ガス(CO2)排出量を統合報告書およびウェブサイトで公表していますが、外部の客観的な目で確認された透明性の高いデータを提供するため、2017年度から温室効果ガス排出量の第三者検証を受けています。
今後も温室効果ガスの第三者検証により、外部のステークホルダーの皆様により一層信頼いただけるデータの提供に努めてまいります。

エネルギー管理体制

エア・ウォーターは省エネルギー法の特定事業者として、コンプライアンスセンター環境推進部長をエネルギー管理統括者としたエネルギー管理体制を構築しています。エネルギー管理統括者、エネルギー管理企画推進者、およびエネルギー管理指定工場のエネルギー管理担当者が集まる「省エネ委員会第1部会」とエネルギー消費量の比較的少ない工場や事業所などが集まる「省エネ委員会第2部会」を開催しています。各部会では、省エネ法対応についての各種検討、省エネに関する情報交換、省エネ法に基づくデータ、報告書などの実務検討を実施しています。
また、コンプライアンスセンター環境推進部は、グループ会社のエネルギー管理体制について、環境監査などを通して確認し、指導を行っています。

エネルギー管理スタッフ情報連絡会

エア・ウォーターでは、省エネルギー法の特定事業者に指定されたグループ各社を対象として2015年よりエネルギー管理スタッフ情報連絡会を開催しています。外部講師による講演のほか、コンプライアンスセンター環境推進部からの情報提供、省エネ事例の発表を通してグループの省エネに関する情報交換を図っています。

エネルギー消費原単位の削減による温室効果ガス排出量の削減

エア・ウォーター(株)と連結子会社のなかで省エネルギー法により指定を受けている特定事業者は23社ありますが、エネルギー消費原単位の改善に取り組むことで温室効果ガスの総排出量削減を行っています。
グループ全体の2018年度のエネルギー消費原単位は2013年度に比べ約11.4%削減しています。また、前年度に比較しても2.4%改善しています。今後も高効率プラントの設置・徹底的な省エネ活動などによりエネルギー消費原単位を改善し、温室効果ガスの排出量を削減いたします。

エネルギー消費原単位の推移

※売上を分母としたエネルギー消費原単位。基準となる2013年度の値を100とした。

温室効果ガスの排出量

輸送分野での取り組み

エア・ウォーターグループでは、輸送会社と協力しながら荷主として省エネルギーと温室効果ガスの削減を推進しています。

<輸送分野における中長期目標>

エネルギー消費原単位を中長期的にみて(過去5年度間)平均1%以上低減するという目標に対し、0.6%増加しました。また前年度より1.7%増加しました。主な増加原因は顧客工場に設置したプラントの定期修理に伴うバックアップ用ガス輸送に伴う遠距離輸送の増加、豪雨による船輸送停滞に伴うトラック輸送増加によるものです。
今後はVSU(小型液化酸素・窒素製造装置)の新設と積載量の大きいトレーラーの配備による製品の効率的な配送、陸上・海上輸送の満車化、輸送船の大型化を進めて、エネルギー消費原単位と温室効果ガスの削減に取り組んでまいります。

輸送分野における温室効果ガス排出量とエネルギー消費原単位指数

気候変動への適応策(医療用・産業用ガスの継続的な供給)

近年、気候変動の影響とみられる大型台風の頻繁な上陸や記録的な豪雨などの大規模な自然災害が頻発しています。当社グループはVSU(小型液化酸素・窒素製造装置)の分散配置により、災害による設備停止やガス供給ルートの分断などのリスクを軽減することで、大規模な自然災害があった場合でも医療用・産業用ガスの継続的な供給を続けることが出来るように備えています。

CDPの評価

エア・ウォーターグループは投資家からの要請による温室効果ガス排出量や気候変動に関する情報開示を目的とした「CDP気候変動」の調査に回答をしています。また、CDP気候変動のほか、「CDPウォーターセキュリティ」についても回答し、水資源の枯渇などに対するリスク調査に対しても回答しています。2019年度には気候変動「A-」、ウォーターセキュリティ「B-」の評価を受けました。

※CDPは2000年に発足したロンドンに本部を置く国際的な非営利団体。企業の低炭素化への取り組みを促進することを目的として、気候変動に関する経営リスクの観点から、世界主要企業の気候変動に関する情報を収集・分析・評価した結果を機関投資家向けに開示している。発足当初の組織名は「カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト」であったが、気候変動だけでなく水資源など活動領域が拡大されたため2013年に正式名称をCDPに変更した。