2050年に自社グル一プの事業活動での力一ボンニユ一トラルはもとより、サプライチェ一ン全体で脱炭素化を目指すとともに、技術革新への不断の取り組みや水素、再生可能エネルギーの利活用などを通じて力一ボンニュ一卜ラル社会の実現に貢献します。
なお、エア・ウォーターグループは産業ガスプラントにおける酸素・窒素の製造を中心に事業活動で多くのエネルギーを使用しており、これに伴うCO\( \sf _2 \)を多量に排出しています。そのため、気候変動対策が事業活動の継続に関わる大きなリスクの一つであると認識し、グループ全体でCO\( \sf _2 \)排出量の削減に取り組んでいます。
当社グループはエア・ウォーターグループ環境ビジョン2050の制定に伴い、脱炭素社会のマイルストーンとして2030年度の国内連結子会社のCO\( \sf _2 \)排出量(Scope1・2)の目標を見直しました。新たに定めた目標はGHGプロトコルを算定ベースに2030年度に30%削減(2020年度比※)とし、エア・ウォーターグループ全体で脱炭素社会の実現に向けて取り組んでまいります。
※GHGプロトコルに基づく2020年度の国内連結子会社のエネルギー起源CO\( \sf _2 \)排出量(2,085千 t-CO\( \sf _2 \))

※GHGプロトコルに基づく2020年度の国内連結子会社のエネルギー起源CO2排出量(2,085千 t-CO\( \sf _2 \))

※GHGプロトコルに基づく2020年度の国内連結子会社のエネルギー起源CO2排出量(2,085千 t-CO\( \sf _2 \))
当社グループでは、CO\( \sf _2 \)削減を通じた生産性向上「削減目標の達成と事業成長の両立」を目指し、CO\( \sf _2 \)削減目標の達成にあたっては、次の5点の取り組みを基本としています。
①エネルギー使用量の低減、②エネルギーの脱炭素化、③生産プロセス改革、④技術開発、⑤経営の効率化
当社グループは、これまでCO\( \sf _2 \)排出量削減の目標を2013年度比で2021年度に6%、2030年度に15%削減することを目標として、プラントの効率的な稼働や高効率な最新設備導入などに取り組んできました。
2020年度は省エネ法の特定事業者に指定された34社において、一部の工場で電力のCO\( \sf _2 \)排出係数を見直したことにより、計算上排出量が229千t-CO\( \sf _2 \)増加しましたが、顧客需要の減少による生産稼働率の低下で2013年度比で6.4%削減(105千t-CO\( \sf _2 \)削減)となりました。


集計範囲:省エネ法の特定事業者(エア・ウォーター(株)およびグループ会社33社、計34社)の集計
- 拡大
- 宇都宮工場の最新式プラント
エア・ウォーターの産業ガスプラントでは、空気を原料として酸素、窒素、アルゴンなどを製造していますが、その製造には多量の電力を使用しています。そのため電力会社の火力発電所などを通じ間接的にCO\( \sf _2 \)を排出しており、CO\( \sf _2 \)排出量の削減はエア・ウォーターにとって重要な課題です。
エア・ウォーターでは、老朽化したプラントを最新機に更新することで、電力使用量削減によるCO\( \sf _2 \)排出量削減に取り組んでいます。
エア・ウォーターグループでは、輸送会社と協力しながら省エネルギーとCO\( \sf _2 \)排出量の削減に取り組んでいます。
エネルギー消費原単位を中長期的にみて(過去5年度間)平均1%以上低減するという目標に対し、5年度間で0.9%悪化しました。この主な増加原因は2019年度における海水事業のトラック輸送増加と2020年度における産業ガス関連事業における長距離輸送の増加によるものです。
今後は産業ガス関連事業におけるVSU(小型液化酸素・窒素製造装置)の新設による産業ガスの配送距離削減、海水関連事業における陸上輸送の満車化、海上輸送の満船化、輸送船の大型化、ケミカル関連事業における倉庫移転による輸送距離の削減を進めてエネルギー消費原単位とCO\( \sf _2 \)排出量の削減に取り組んでまいります。

注)上記のデータは、省エネ法特定荷主のデータに基づく

注)上記のデータは、省エネ法特定荷主のデータに基づく
エア・ウォーターグループは自らのエネルギー使用に伴い排出するCO\( \sf _2 \)(スコープ1、2)に加え、サプライチェーンにおけるCO\( \sf _2 \)排出量(スコープ3)の排出量を算定しています。
エア・ウォー夕ーグループのサプライチェーン全体におけるCO\( \sf _2 \)排出量を把握するため、スコープ別に排出量を算定しています。
サプライチェーン全体におけるCO\( \sf _2 \)排出量は、2020年度からGHGプロトコルに基づいた算定をしています。
排出量 |
備考 |
---|
スコープ1 |
656 |
自社の燃料などの使用による直接排出 |
---|
スコープ2 |
1,429 |
他社から供給を受けた電気、蒸気などによる間接排出 |
---|
スコープ3 |
2,278 |
サプライチェーンにおける事業活動に関する間接的な排出 |
---|
<参考>省エネ法・温対法に基づくCO\( \sf _2 \)排出量算定(2020年度) スコープ1:294千t スコープ2:1,237千t
カテゴリー |
排出量 |
---|
1 |
購入した製品・サービス |
463 |
---|
2 |
資本財 |
155 |
---|
3 |
スコープ1、2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動 |
201 |
---|
4 |
輸送、配送(上流) |
31 |
---|
5 |
事業から出る廃棄物 |
19 |
---|
6 |
出張 |
2 |
---|
7 |
雇用者の通勤 |
4 |
---|
8 |
リース資産(上流) |
- |
---|
9 |
輸送、配送(下流) |
- |
---|
10 |
販売した製品の加工 |
- |
---|
11 |
販売した製品の使用 |
1,403 |
---|
12 |
販売した製品の廃棄 |
- |
---|
13 |
リース資産(下流) |
- |
---|
14 |
フランチャイズ |
- |
---|
15 |
投資 |
- |
---|
合計 |
2,278 |
---|
- カテゴリー1は、マテリアルパランス対象工場が購入した原材料を中心とした製品の購入量(金額データ)に、それぞれの製品の排出原単位を乗じて算出しています。
- カテゴリ一11は、グループ外の顧客へ販売した燃料(LNG、CNG、LPG、灯油)および液化炭酸ガス、ドライアイスの使用によるCO\( \sf _2 \)排出量を計上しています。
- カテゴリー10、12は現時点では算定が困難なため集計に含めていません。
- カテゴリー8、9、13、14、15に該当する事業はありません。
エア・ウォーターグループは温室効果ガス(CO\( \sf _2 \))排出量を統合報告書およびウェブサイトで公表していますが、外部の客観的な目で確認された透明性の高いデータを提供するため、2017年度から温室効果ガス排出量の第三者検証を受けています。
今後も温室効果ガスの第三者検証により、外部のステークホルダーの皆様により一層信頼いただけるデータの提供に努めてまいります。
-
温室効果ガス排出量第三者検証報告書 (800KB)
注)2020年度は省エネ法・温対法に基づく算定に対する検証

エア・ウォーターグループは、2021年8月に金融安定理事会(FSB※1)により設置された「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言への賛同を表明するとともに、「TCFDコンソーシアム」に参画しました。TCFD提言では、気候変動に関するガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標に関する情報開示が求められています。エア・ウォーターグループは、提言に沿って情報を開示するための取り組みを進めています。

エア・ウォーターグループは、世界の主要企業の気候変動に関する情報を収集・評価しているCDP※の調査に回答しています。その結果、気候変動に対する取り組みや情報開示に関する評価として、2019年度に気候変動「A-(Aマイナス)」、2020年および2021年に「B」の評価を受けました。また水資源の枯渇などウォーターセキュリティに対する評価として2019年に「B-(Bマイナス)」、2020年および2021年に「B」の評価を受けました。
※ロンドンに本部を置く国際的な非営利団体。企業の低炭素化への取り組みを促進することを目的として、気候変動に関する経営リスクの観点から、世界主要企業の気候変動に関する情報を収集・分析・評価した結果を機関投資家向けに開示している。

エア・ウォーターは、2020年3月、(株)日本政策投資銀行(DBJ)より、グループ全体で着実に環境経営を推進している点、不断の改善や継続的な環境保全投資により、事業活動による環境負荷の低減に取り組んでいる点、社会課題の解決に資する事業展開を促進している点などが高く評価され、「環境への配慮に対する取り組みが先進的」との格付を取得、「DBJ環境格付\( \sf ^※ \)」に基づく融資の対象に選定されました。
※企業の環境経営度を評点化し、得点に応じて融資条件を設定するDBJによる世界初の融資メニュー