基本的な考え方

廃棄物発生をゼロ、廃棄物の再使用の促進、また廃棄物の再資源化することにより、資源を循環させるサプライチェーンの実現を目指しています。2021年度実績で65%だった廃棄物リサイクル率を2030年度に80%、さらに2050年に100%を目指して取り組んでいます。また更に2025年度から「TNFDフォーラム」に参画し情報開示を行っています。
新たな自然資本の指標と目標として廃棄物排出量原単位を2030年度に10%削減の目標を定めました。

産業廃棄物の排出

産業廃棄物の排出量に占める種類別の割合は、バイオマス発電(㈱日本海水、電力事業)によるばいじんや燃え殻、アグリ&フーズグループの汚泥や動植物性残渣によるものが大きくなっています。

産業廃棄物排出量推移

産業廃棄物排出量の割合

廃棄物排出量原単位

2030年度目標

2021年度実績

2022年度実績

2023年度実績

2024年度実績

10%削減(2021年度比)

基準値(14.4ton/億円)

3.7%削減(13.9ton/億円)

5.2%削減(13.6ton/億円)

4.4%削減(13.8ton/億円)

産業廃棄物リサイクル率

2030年度目標

2021年度実績

2022年度実績

2023年度実績

2024年度実績

80%

65%

80%

83%

81%

なお、防府バイオマス・石炭混焼発電所の事業譲渡に伴うバウンダリの構造変化、飲料工場で発生した汚泥を肥料として販売したこと(有価物への転換)、食品工場における歩留まりの改善などにより、リサイクル率は2022年度に80%を超えました。今後は、①生産プロセス改革による発生量の削減、②内製化(自社処理)、③有価物への転換、④リサイクル率の向上を基本方針に、廃棄物削減の取り組みを進めることで、さらなる削減を目指します。
また更に2025年度から「TNFDフォーラム」に参画し情報開示を行っています。

半導体工場排出物(溶剤・リン酸)の有効利用

新工場完成予定図
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新工場完成予定図

当社グループのエア・ウォーター・マテリアル㈱は、パートナー企業と連携し、半導体工場から排出の溶剤・リン酸をリサイクルし、再生品として多様な業界へ提供しています。
これらの再生品は、洗浄、製品原料、さらには肥料として活用されています。
現在、九州・中国地方における資源リサイクル強化を目的に、北九州に合弁会社「サンワマテリアルソリューションズ(株)」の新工場建設を進めており、2027年4月の稼働開始を目指しています。
エア・ウォーター・マテリアル㈱は、化学薬品の安定供給を支える「動脈」としての機能に加え、廃棄物の再資源化を進める「静脈」としての役割も果たし、資源循環型社会の実現に向けた取り組みを今後も加速してまいります。

再生品例

・再生IPA

・半導体工場から排出される廃液を原料に製造しております。

・電子系工場等でフラックス洗浄用途で採用されております。

・再生リン酸

・半導体工場から排出される廃液を原料に製造しております。

・排水処理の栄養源や化学品原料用途で採用されております。