連結子会社183社、約2万人の従業員を抱えるエア・ウォーターグループは、性別や年齢、人種、国籍などに関わらずキャリアを築くことができるダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)を重要課題と捉えています。2016年、取り組みのファーストステップとして、女性がいきいきと働ける会社を目指し「女性活躍推進プロジェクト」を発足。「職場風土の改善」「継続就業支援」「キャリア支援、採用・育成の推進」など、さまざまな取り組みを実施してきました。
2022年度には、女性活躍に軸足を置いたD&I推進を、従業員一人ひとりのワークライフバランスの充実と活躍を目指す取り組みに発展させるため、プロジェクトを地域事業会社に広げ、新たに代表取締役会長・CEOを責任者とした「D&I推進プロジェクト」をスタートしました。同プロジェクトでは、「女性活躍推進」に加え、「男性育休の取得推進」「介護と業務の両立支援」「主体性発揮のための意識改革と風土改革」「障がい者雇用促進」を主なテーマとして活動しました。
2023年度には、これまでの活動を引継ぎつつ公平・公正を表す「E(エクイティ)」を加えたDE&I推進チームが専任組織として発足。多様な社員が互いを尊重し、互いに学び合うことで自身と組織の成長を加速していきます。
多様性ある組織の構築によって企業が一層の成長をしていくために、女性活躍推進法に基づく行動計画では、重点取り組みとして、女性管理職比率を10%以上とする目標を掲げておりました(2023年度実績:5.5%)。
メンター制度によるキャリア構築支援や女性リーダー育成プログラムの強化を図っておりますが、今後もこれらの取り組みを継続した上で、新たな取り組みとして候補者の上司への研修を通して周囲の意識変化にも取り組んでいきます。
女性管理職/主事層 比率
女性活躍推進の具体策としては、「採用」「継続就業」「育成」「登用」「多様性の実現」の5つのステップを設定しています。採用においては、新卒採用者数に占める女性比率を継続的に40%以上にすることを目標に掲げ、女性の採用強化を進めています。
継続就業においては、各種制度の導入を終え、現在は「育成」に注力しており、メンター制度によるキャリア構築支援や女性リーダー育成プログラムの強化を図っています。
また、通常の育児休業に加えて、年休特別積立制度により積み立てられた有給休暇を育児休暇に充てられる独自の育児休暇制度を設けています。さらに、育休取得者とその上司へ向けた社内情報誌「育休のミカタ」「育休のココロエ」を発行し、全従業員へ育休制度の理解を促しています。
新たに重点課題とした男性育休の取得推進については、2024年度に向けて育児休業・休暇取得率を40%以上にすることを目指しています。その達成に向け、育休制度の理解促進を目的とした社内セミナー、育休取得者と取得希望者とのコミュニケーションの場の提供となる座談会の開催を通じて、対象者への育休取得推奨の働きかけを行っています。
男性社員の育児参加を後押しするため、男性の育休取得率を2024年度に40%以上とすることを目標に掲げていました。配偶者が出産した男性社員が育児休業・休暇を取得し、2023年度には目標を上回る100%を達成しました。対象者とその上司への声掛けや、人事担当者との個別面談の実施、働き方改革の推進など、本人だけでなく周囲を巻き込んだ取り組みの効果により、社内における男性育休取得の風土醸成は着実に進んでおります。
今後も、高い育休取得率の維持を目指すとともに、十分な育休期間の取得についても継続して取り組んでいきます。男性育休のさらなる社内浸透を目指し、育休取得者との座談会や社内セミナー、対象者と上司への育休取得推奨の働きかけを継続実施していきます。
男性育休取得率
従業員一人ひとりがやりがいを持って生き生きと働き、能力を最大限発揮できる職場環境を築くため、2023年度よりエンゲージメント調査を開始しました。自身が所属する組織と自身の仕事に熱意を持って、自発的に貢献しようとする意欲を図り、今後の事業戦略や人事戦略を進めるうえでベースとなる指標としていきます。
- 2023年度 調査結果:全体平均5.05点(最高7点、他社平均4.63点)
調査結果を基に、従業員のエンゲージメント向上を目指して、会社への自発的貢献意欲の向上と組織風土や職場環境を改善する施策を実施していきます。
さまざまなライフイベントを迎える従業員が、それぞれの能力を最大限に発揮するためには、「安心して働ける職場環境づくり」が求められます。こうした中、当社は高い水準で子育て支援に取り組む企業として、2023年に「プラチナくるみん」認定を取得しました。
当社はこれまでも、育児休業制度はもとより、短時間勤務制度、子の看護休暇制度に加え、配偶者転勤時の休職を認める配偶者休職制度、ジョブリターン制度を整備するなど育児中の従業員を支援してきました。2020年の「くるみんマーク」を取得後も、柔軟な働き方を通じた生産性の向上を図るため、フレックスタイム制度や在宅勤務制度を導入し、その活用を促進してきました。
こうした制度面の充実化を図るととともに、各種制度の理解促進を目的とした社内セミナーやリーフレットの発刊、制度の利用者と利用希望者とのコミュニケーションの場の提供などを実施してきました。さらに、男性従業員の育児休業・休暇取得率を40%以上にすることを目指し、自身や配偶者の出産を控えた従業員に、制度面・業務面などの懸念を解決するための面談を実施したり、育休取得者の経験談を従業員へ広く共有したりするなどの取り組みを行っています。
大卒新卒採用者 女性比率 2023年度 53.8%(女性7名、全体13名)
大卒新卒採用者 男女比率
※2024年度=2024年4月1日入社者
平均勤続年数
2023年度 女性9.4年 男性14.4年
管理職の女性比率 5.5%(女性26名、全体472名)
主事層の女性比率 24.0%(女性55名、全体229名)
※当社単体、年度末時点
女性管理職/主事層 比率・人数
女性活躍推進法に基づいて行動計画を立てています。