水資源の保全、脱プラスチックなど、環境負荷をなくすとともに生物多様性の保全に貢献します。こうした環境影響物質の抑制を進める中で、2030年度の水使用量原単位(売上収益あたりの淡水使用量)を2021年度実績に対して10%削減することを目指して取り組んでいます。

水資源(淡水)

エア・ウォー夕ーグループは、事業活動における水資源の使用削減や排水の再利用をはじめとした、水の使用管理、環境基準に準じた排水や下水処理に留まらず、水の中の有害物質などを浄化し、きれいな水を作り出していくことを目指します。製造工程で出る蒸気の回収利用、排水や洗浄水などのリサイクルシステムの導入、配管などの水圧調整による水使用量の削減などの取り組みにより、2021年度実績(32㎥/百万円)に対して、2030年度には10%削減を目指しています。

水使用量原単位

2030年度KPI

2021年度実績

2022年度実績

10%削減(2021年度比)

基準値(32㎥/百万円)

8.7%削減(29㎥/百万円)

2030年度KPIの達成に向けて、①使用量削減、②再利用化、③生産プロセスの見直しを基本方針に、水使用量の削減を進めます。

水資源の使用状況

エア・ウォーターグループは、主に清涼飲料水を製造する際の原料として、また、製品の生産や発電する際の設備冷却水として、水資源(淡水)を使用しています。水資源は生産プロセスにおける循環利用などに取り組むとともに、使用後の水は分析を行い、水環境に問題がないことを確認したうえで排水しています。

飲料事業における脱プラスチックの取り組み

脱プラスチックへの動きが加速する中、ペットボトルに代わる容器として「紙容器」が注目されています。当社グループで飲料事業を展開するゴールドパック(株)は、2021年3月に、紙容器入りのナチュラルミネラルウォーターAzumino Mineral Water」(1L)を販売開始しました。テトラ・ジェミーナ®アセプティック容器」(TGA)を採用し、同社従来品のキャップ付き2Lペットボトルと比較してプラスチック使用量を22%削減することが可能となりました。

※TGA:主にFSC®(Forest Stewardship Council®、森林管理協議会)認定の包材を利用した紙容器で、再生可能な材料の比率が向上し、プラスチック使用量の削減につながる

エア・ウォーターグループ 生物多様性に関する基本方針

エア・ウォーターグループは、創業以来、空気や水をはじめとした地球の資源を活用し、事業を展開していることから、地球環境を維持することが企業の持続的発展に不可欠であると認識し、「エア・ウォーターグループ環境ビジョン2050」に基づいて、グループ全体で環境負荷低減ならびに環境保全活動に取り組んでいます。

生物多様性の保全と自然資源の持続可能な利用は、気候変動対策とともに、グローバルでの重要な課題であり、エア・ウォーターグループでは、持続的な社会の実現に向けて、生物多様性の保全に関して、以下の行動指針を定めています。

  1. 生物多様性の保全が持続可能な社会の実現のために重要な課題であると認識し、生物多様性への影響を把握するとともに、その影響を削減するための取り組みを継続的に行います。
  2. 環境に配慮した製品・技術の開発に努め、これらの提供・普及を通じて生物多様性の保全に貢献します。
  3. 従業員への啓発活動を通じて生物多様性の保全の重要性を広く周知し、自主的な活動を促進します。また、地域社会とのコミュニケーションを通じて、生物多様性の保全に向けた社会全体の取り組みを活性化させていきます。

企業の森づくり活動

安曇野エア・ウォーターの森

エア・ウォ一夕ーは、2021年11月より、長野県安曇野市堀金地区の市有林の一部を「安曇野エア・ウォーターの森」として森林保全活動に取り組んでいます。近隣には、地域循環型のエネルギ一供給システム「安曇野バイオマスエネルギーセン夕ー」が稼働しており、こうした農山村固有の資源を有効活用した事業を進めるにあたり、森林を保全し苗木を植えて育てることが循環型社会の実現および地域振興に寄与するという認識のもと、「循環する森づくり」に積極的に取り組んでいます。

ゴールドパック常念湧水の森林(もり)

エア・ウォーターグループのゴールドパック株式会社は1991年に長野県安曇野市堀金烏川に飲料工場を設立し、安曇野の豊かな森林が育んだ環境の下で事業活動を行っています。工場の西方に位置する烏川渓谷緑地周辺が水源域の一つにあたるため、自然豊かな水源域の環境保全と森林との共生を図ることを目的に、保全活動に取り組んでいます。

2022年より、安曇野市と「森林(もり)の里親」契約を締結し、市有林の一部を「ゴールドパック常念湧水の森林(もり)」と位置付け、従業員らが中心となって森林保全活動を実施しています。

化学物質

エア・ウォーターグループは、化学物質のリスク管理のため化学物質の製造量と輸入量を把握しており、化審法に基づき国に製造量と輸入量の届出をしています。2019年度はコールケミカル事業を譲渡したため、化学物質の製造量が減少しています。

化学物質の製造量および輸入量

化学物質の排出量・移動量

エア・ウォーターグループは、化学物質のリスク管理のため化学物質の製造量と輸入量を把握しており、化審法に基づき国に製造量と輸入量の届出をしています。2021年度はケミカル工場において新製品の立ち上げによる溶剤の使用量が増加したため化学物質の排出量・移動量が増加しています。

排出量・移動量のうち敷地外への移動量が92.6%を占めていますが、産業廃棄物の処理業者へ委託したものです。そのほか大気への排出量が7.3%、水域への排出量が0.1%となっています。

第1種指定化学物質(PRTR物質)の排出量・移動量(t)

PRTR物質の排出量と移動量の割合