社長メッセージ

社長メッセージ

2019年度の国内経済は、年度前半は雇用環境の改善や個人消費の持ち直しなどを背景に緩やかな回復基調で推移した一方、年度後半は長期化する米中貿易摩擦を背景に輸出関連産業を中心とした国内製造業の生産活動や設備投資が減速に転じるなど、景気後退が鮮明となりました。

こうした中、当社グループでは、「革新=イノベーションの実行」を基本コンセプトに据えた、2019年度を初年度とする3カ年中期経営計画「NEXT2020-Final」がスタートしました。この計画の下、今後の持続的成長に向け、製品開発力の強化や人材育成といった経営基盤の強化とともに、各事業分野において諸種の実行施策を着実に推進しました。国内においては、産業ガス関連で生産・充填拠点を拡充したほか、ケミカル関連における事業の再構築や木質バイオマス発電事業の拡大を着実に進めることで、安定した事業基盤の拡充を図りました。また、海外においては、高い市場成長が期待できるインドでの産業ガス事業および高出力UPS(無停電電源装置)事業をM&Aによってそれぞれ取得し、今後の成長に向けた事業基盤の構築に取り組みました。

その結果、2019年度の連結業績は、売上収益が8,091億円、営業利益は506億円、当期利益は335億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は304億円となりました。なお、この売上収益とすべての利益については、当社グループにおける過去最高の業績となります。

2020年度は、新型コロナウイルスによる世界的な経済活動の停滞が当社グループにも影響を及ぼしておりますが、事業全般にわたるコスト削減に取り組むとともに、グループ全従業員の安全に最大限配慮しつつ、産業ガスや医療用ガスをはじめとした諸製品の安定供給責任を果たすため、徹底した感染防止策を講じています。また、経済活動の停滞が長期化した局面に備えて十分な財務の安定性を維持するため、今後のM&A投資および設備投資については、事業環境の変化を慎重に見極めながら厳選していく方針です。

当社グループは、産業ガスや医療用ガスをはじめとして、エネルギーや農業・食品、物流、医療・衛生といった、人々の命や暮らしを支える様々な事業を行っており、パンデミックという危機的な状況下であるからこそ、経済的価値と社会的価値の両面からこれら事業の真価を発揮することができると考えています。

また、このたびのコロナ対応によって起きた様々な変化は、従来の価値観やビジネスの仕組みにも大きな変化をもたらします。大きく変容する社会やビジネスの変化に対し緻密にアンテナを張りながら、当社グループの最大の強みである「多様な事業の総合力」を活かした成長戦略を推し進めてまいります。

さらに、このタイミングを事業変革のための絶好の機会と捉え、既成概念を取り払った風土改革に取り組んでいきたい、と考えています。例えば、製造面では工場におけるIoT導入を促進し、徹底した生産性向上を図ること、営業面ではデジタルツールを活用し、出社を前提としないマーケティングや営業活動を推進すること、管理面では、データに基づき業務遂行を行う「データ経営」を進めること、などです。

こうした風土改革を通じて、新たな時代においても勝ち残ることができる企業を目指してまいります。

代表取締役社長 COO 白井 清司

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