エア・ウォーターでは、溶接用途や飲料原料として使用されている炭酸ガスを製造・販売しています。脱炭素社会の実現に向けてCO2排出量の削減が求められている中、エア・ウォーターでは様々なCO2削減ニーズに対応できるよう、CO2回収・利活用技術の開発に取り組んでいます。

 

研究開発テーマ

  • CO2回収装置「ReCO\( \sf _2 \) STATION」

ボイラや工業炉などの燃焼時に発生する低CO2濃度の排ガスからCO2を高効率に回収できる小型CO2回収装置です。

 

  • カーボンニュートラルメタン合成向けCO2回収装置

CO2の利用先として、燃焼してもCO2排出量が実質ゼロとなるカーボンニュートラルメタン合成向けのCO2回収技術を開発しています。

 

  • 木質バイオマス発電排気ガスの農業利用

木質バイオマスを燃料とした発電で生じる排気ガスを浄化し、回収したCO2をトマトの生育(光合成促進)に利用。電気+熱を供給する"コジェネレーション"に対して、発生するCO2も併せて有効活用する「トリジェネレーション」を行っています。

 

  • ドライアイススノー精密洗浄装置「QuickSnow」

「QuickSnow」は、液化炭酸ガスからドライアイス微粒子を生成し、高速で対象物に衝突させることで洗浄する装置です。

具体的な取り組み

①CO2回収装置「ReCO\( \sf _2 \) STATION」

脱炭素社会実現に向けた取り組みが進む中、エア・ウォーターが長年培ってきたガス製造・エンジニアリング技術や炭酸ガス・ドライアイスメーカーとしての知見を活かし、CO2濃度が10%程度の排ガスからCO2を回収し、有効利用が可能となる「ReCO2 STATION」を開発しました。様々な業界でCO2排出量削減が求められる中で、回収ニーズが高まっている一般的な工場の燃焼排ガスに適用可能な装置です。また、回収したCO2を再利用するカーボンリサイクルの観点から、ドライアイス製造機能も搭載。回収したCO2を原料としてドライアイスを製造することが可能です。

 

将来的には、CO2回収技術とエア・ウォーターグループの炭酸ガス供給ネットワークを活用した、産業ガスメーカーならではの価値提供を通じて、地産地消型のCO2回収・利用モデルの構築を目指しています。また、次世代の「ReCO\( \sf _2 \) STATION」に向けた革新的な技術開発も並行して進めており、グリーンイノベーション基金事業※にも参画しています。

 

※日本政府が取り組む「2050年カーボンニュートラル」実現に向けて、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が創設。グリーン成長戦略の重点分野において、研究開発・実証から社会への実装までを見据え、官民を挙げて野心的かつ具体的な目標を共有し、企業における取り組みに対して、継続的な支援を行っている。

 

木質バイオマス由来のCO2を原料としたCO2回収事業イメージ
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木質バイオマス由来のCO2を原料としたCO2回収事業イメージ

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②カーボンニュートラルメタン合成向けCO2回収装置

メタネーション技術は水素(H2)と二酸化炭素(CO2)からメタン(CH4)を合成する技術です。再生可能エネルギーから製造した水素と工場等から排出されるCO2を合成してできたメタンは「カーボンニュートラルメタン」と呼ばれます。燃焼時に排出されるCO2が回収したCO2と相殺されるため、CO2排出量は実質ゼロとみなすことができ、脱炭素社会に向けた燃料として注目されています。

 

一方で工場等から発生する燃焼排ガスはCO2濃度が10%と低いため、そのままメタンを合成しても燃料として利用することができません。エア・ウォーターでは低濃度で不純物が含まれる燃焼排ガスに対応可能なCO2回収技術を開発し、CO2濃度を高めて供給することで、カーボンニュートラルメタンの製造に貢献しています。
 

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③木質バイオマス発電排気ガスの農業利用

安曇野バイオマスエネルギーセンター
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安曇野バイオマスエネルギーセンター

長野県安曇野市にある安曇野バイオマスエネルギーセンターに、木質バイオマスを発電燃料としたガス化発電設備を導入。電気と熱の供給に加えて、隣接するエア・ウォーター農園のトマトハウスへCO2を供給する「トリジェネレーション事業」を行っています。

 

発電時に生じる排気ガスからNOxやCO、SOxなどの有害物質を除去する、排ガス浄化システムを開発し、回収したCO2をトマトの光合成促進のために供給しています。

 

バイオマスガス化発電による熱・電気・CO2を利用するトリジェネレーションは国内初の取り組み。原料に未利用木材を活用することで地域の林業復興に貢献するとともに、発電設備から排出されるCO2をトマト栽培に利用することで、農業コストとCO2排出量の削減を図っています。
 

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④ドライアイススノー精密洗浄装置「Quicksnow」

ドライアイススノー精密洗浄装置<br/>「Quicksnow」
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ドライアイススノー精密洗浄装置
「Quicksnow」

エア・ウォーターが開発した「QuickSnow」は、液化炭酸ガスから作るドライアイス粒子を対象物に高速で衝突させ、その後、衝突した粒子が800倍まで気化膨張する作用によってパーティクル(ミクロン単位のチリやホコリ)や有機物を除去・洗浄できる装置です。


ドライプロセスであること、被洗浄物へのダメージが小さいことなどがメリットとして挙げられます。すでに数種類の装置をラインアップし、高洗浄力かつ高速洗浄が可能な広角型ハードタイプなど、使用する用途や方法に応じた様々なタイプの噴射ノズルを開発しています。

 

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