当社は、長野県安曇野市のトマト農園敷地内に設けた「安曇野バイオマスエネルギーセンター」にて、国内初となるガス化発電方式※1による「トリジェネレーション※2事業」を2021年7月1日より開始しますので、お知らせいたします。未利用木材を活用した発電により地域の林業振興に貢献するとともに、発電設備から排出される熱と二酸化炭素(CO\( \sf _2 \))をトマト栽培に利用することで農業コストの削減ならびに、持続可能な農業事業の促進につなげていきます。
※1:木質バイオマスを熱分解、還元反応によりガス化し、そのガスを燃料としてエンジン発電機に導入し発電する方式
※2:トリジェネレーション(tri-generation):発電時に電気だけでなく発電で生じた熱も供給する"コジェネレーション"に対して、熱源から生産される熱、電気に加え、発生するCO\( \sf _2 \)も有効活用するエネルギー供給システム
当社はトマト栽培事業を行う農地所有適格法人 株式会社エア・ウォーター農園の安曇野菜園敷地内に安曇野バイオマスエネルギーセンターを設け、小規模発電に適したバイオマスガス化発電設備を導入。2020年4月より、FIT制度(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)を活用した1,000kW規模での発電および発電設備からの排熱を安曇野菜園へ供給する、コジェネレーション事業を行っています。再生可能エネルギーである木質バイオマスを発電燃料としたクリーンな電力を販売すると同時に、地域の未利用材を発電に活かすことで林業の振興に寄与し、発電で生じる熱でトマト栽培ハウスを保温し農業コストの削減を図っています。
このたび、本センターでは、新たに1,000kW規模の設備を加えた2,000kW規模でのコジェネレーションシステムが完成し、従来の発電、熱供給に加え、発電設備から排出されるCO\( \sf _2 \)を多く含む排ガスを浄化し、トマトの光合成促進のために供給する国内初のガス化発電方式によるトリジェネレーション事業を開始します。これにより、CO\( \sf _2 \)のリサイクル利用で環境負荷の低減を図るとともに、トマト栽培ハウスの保温用に使用していたLPG燃料の削減および、光合成促進のため使用していた液化炭酸ガスの削減が可能となります。
当社は本事業を通じて持続可能な農業事業の促進、地域材活用と雇用創出による地域貢献を継続してまいります。また、今後は、本センターで確立した地産地消型のトリジェネレーションモデルをそれぞれの地域事情に即した形で展開してまいります。
- 設置場所: 長野県安曇野市三郷温6200番地
- 発電形式: ガス化・エンジン方式
- 発電出力: 1,960kW
- 使用燃料: 木質バイオマス(年間使用量:25,000t)
- 運転開始時期:コジェネレーション(発電+熱供給)事業開始 2020年4月1日
トリジェネレーション(発電+熱+CO2供給)事業開始 2021年7月1日
【安曇野バイオマスエネルギーセンター 外観・内観】
●(ご参考)エア・ウォーターグループの再生可能エネルギーによる電力事業(発電所)について
●(ご参考)
当社グループは、国連サミットで採択された2030年までの持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた取り組みを進めています。今回の取り組みは、下記の開発目標に該当します。
7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに
12 つくる責任 つかう責任
13 気候変動に具体的な対策を
15 陸の豊かさも守ろう
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