エア・ウォーターグループは「地球環境」と「ウェルネス(健やかな暮らし)」の2軸で研究開発を推進しています。
地球環境事業では「脱炭素エネルギー」「資源回収・活用」「サステナブルフード」を中心に、ウェルネス事業では「スマートヘルスケア」「ホームケアソリューション」「防災・医療プラットフォーム」をはじめとした研究開発を進めています。
ここでは、近年の研究開発成果をご紹介します。

地球環境

ウェルネス

地球環境

CO2回収・利活用

脱炭素社会の実現に向けてCO2排出量の削減が求められている中、エア・ウォーターでは様々なCO2削減ニーズに対応できるよう、CO2回収・利活用技術の開発に取り組んでいます。

LNG関連

天然ガスは化石燃料と比較して温室効果ガスである二酸化炭素や、酸性雨の要因である窒素酸化物の排出量が少ないことから、クリーンなエネルギーとして注目を集めています。その天然ガスを-162℃まで冷却し液化したものが液化天然ガス(LNG:Liquid Natural Gas)です。LNGは、気体の時と比べて体積が約600分の1になり、一度に大量に貯蔵・輸送することができるようになります。エア・ウォーターではLNGをお客様に届けるための設備や機器の開発を行っています。

水素製造・利活用

水素は一般的に半導体、金属、ガラス、化学分野での産業ガスとして活用されており、エア・ウォーターでは水素の製造設備や水素をお客様に届けるための供給設備の開発に取り組んでいます。

地域密着型バイオエネルギー

地域に根差した持続可能な脱炭素社会の実現に向けて、地域の未利用バイオマスを用いたエネルギー創出と地域の特色に合わせたエネルギーの地産地消型のサプライチェーンモデル構築に関わる研究開発を行っています。地域ごとに未利用の資源は異なるため、地域の特色に合わせたエネルギーの創出に関わる技術開発に取り組み、地域循環型社会の形成を目指しています。

ウェルネス

歯髄・象牙質再生治療

自分の歯を保ち、いつまでも健康でいるための「歯髄再生治療」。自分の不用歯から採取した歯髄幹細胞を用いて自分の歯の神経を再生する「自家歯髄再生治療」に加え、象牙質再生技術も実用化されました。現在、不用歯を持たない患者様にも歯髄再生治療を受けていただけるようにする技術開発にも取り組んでいます。

医療従事者向けVR学習ツール

従来の現場中心の医療トレーニングは、トレーニングセンターの設置・維持にかかるコストや、治療・医療技術の進化に応じた対応が困難などの課題がありました。今後、医療教育の国内市場は映像配信を中心に拡大すると予測されており、特にVR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)を活用した学習ツールが市場を牽引することが想定されており、エア・ウォーターはVRを用いた医療従事者向けVR学習ツールを開発しました。

機能性表示食品の開発とフードロス削減

アグリ&フーズ(農業・食品)事業では、農産品の栽培から鮮度保持、加工、流通、そして販売までを手掛ける「畑から食卓まで」のバリューチェーンを構築しています。研究開発においては、持続可能な農業と食による健康寿命の延伸を目指して、分析評価技術を基盤とした農産物の高付加価値化に取り組んでいます。中でも健康志向食品、とりわけ機能性表示食品等の開発では、機能性成分によるエビデンス(科学的根拠)だけではなく、おいしさ、香り、食感等にも着目し、「ウェルビーイング」の観点での研究開発も進めています。また、農産物のさまざまな加工・冷凍技術や、食品ガス利用を通じて、フードロス削減など地球環境に配慮した取り組みを実施しています。