アグリ&フーズ(農業・食品)事業では、農産品の栽培から鮮度保持、加工、流通、そして販売までを手掛ける「畑から食卓まで」のバリューチェーンを構築しています。

 

研究開発においては、持続可能な農業と食による健康寿命の延伸を目指して、分析評価技術を基盤とした農産物の高付加価値化に取り組んでいます。中でも健康志向食品、とりわけ機能性表示食品等の開発では、機能性成分によるエビデンス(科学的根拠)だけではなく、おいしさ、香り、食感等にも着目し、「ウェルビーイング」の観点での研究開発も進めています。また、農産物のさまざまな加工・冷凍技術や、食品ガス利用を通じて、フードロス削減など地球環境に配慮した取り組みを実施しています。

 

※ウェルビーイング(Well-being):幸福で肉体的、精神的、社会的すべてにおいて満たされた状態

畑から収穫した作物を全て食卓に!
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畑から収穫した作物を全て食卓に!

1.研究開発テーマ

  • 「機能性成分一斉分析法」を活用した機能性表示食品の開発

機能性成分について、独自の分析手法により既存商品の分析を行い、ばらつきの大きい農産物の成分量を安定的に維持・コントロールする貯蔵方法や、製造プロセス管理などを考案しています。そのほか、既存商品の機能性表示食品へのリニューアルや、新商品の開発を行っています。また、食品分析から得た結果をもとに、応用商材の試作を行い、自社での特徴的な農産物を栽培する取り組みに繋げています。

 

  • 各種技術を利用したフードロス削減

畑でできた農産物を余すところなく生鮮野菜、冷凍野菜、加工食品、調理食品として商品化するほか、農産物の未利用部(未利用資源:一般的な可食部以外の部分、規格外品、搾汁かす等)を中心とした農産物の様々な活用方法を検討しています。

そのほか、農産物のさまざまな加工・冷凍技術や、食品ガス利用、天然素材の保存料などを利用した保存技術によるフードロス削減に取り組んでいます。

2.具体的な取り組み

「機能性成分一斉分析法」を活用した機能性表示食品の開発

大学との共同研究の中で、330以上の機能性成分を一斉にスクリーニングする当社独自の分析法を開発しました。
この機能性成分一斉分析法を活用して農産物中の機能性成分を分析し、農産物と機能性成分の新規組み合わせの探索や高付加価値化、機能性表示食品の開発等を行っています。この分析法により複数の健康機能性(ヘルスクレーム)が期待される特殊なポリフェノール類を多く含む紫にんじんを見出し、エア・ウォーターグループで栽培した紫にんじんを使ったジュースを開発しました。

機能性330成分一斉分析装置
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機能性330成分一斉分析装置
紫にんじんジュース
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紫にんじんジュース
機能性表示食品
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機能性表示食品

各種技術を利用したフードロス削減

畑でできた農産物を全て有効に活用できるような取り組みとして、農産物の未利用部を加工した野菜粉末(天然添加物、天然色素、出汁原料、サプリメント原料など)や機能性ペットフード・飼料等を開発しています。また、本来であれば捨てられるはずだったものをより価値の高いものへと生まれ変わらせる「アップサイクル」を、天然素材を活用した化粧品原料や農業資材、肥料、ケミカル原料、燃料といった食品以外への活用検討も含め、推進しています。

また、果実の呼吸量を抑制する包装技術を活かし、最盛期に過剰に市場供給される「柿」の長期冷蔵保存を実現しました。これにより、適切な量を安定的に供給し食品ロスをなくすことに繋がっています。

長期冷蔵保存した余剰柿<br/>グループ会社の㈱プラスが運営する「産直市場 よってって」紀の川集配センター内で加工・貯蔵
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長期冷蔵保存した余剰柿
グループ会社の㈱プラスが運営する「産直市場 よってって」紀の川集配センター内で加工・貯蔵

今後も、日本の食料基地である北海道の農産物を中心に、当社のサプライチェーン全体を俯瞰的に調査・分析し、フードロス削減につながる取り組みを進めてまいります。