産業ガスは、エネルギーとして使用されるLPガスや都市ガス以外のガスの総称で、その種類は、酸素、窒素、アルゴン、炭酸ガス、水素など、さまざまな種類があります。このページでは、主な産業ガスを製造方法ごとに分類してご紹介します。
産業ガスの代表的な製品である酸素・窒素・アルゴンは、主に空気を原料に冷却液化し、沸点の差※を利用して分離・精製して製造します。空気に含まれる元素を分離するため、エアセパレートガス(空気分離ガス)と総称されます。また、大気中にごくわずかに含まれるネオン・クリプトン・キセノンも、エアセパレートガス製造時の副産物として採取されています。
※窒素は−196°C、酸素は−183°C、アルゴンは−186°Cで気体から液体に状態変化します。
炭酸ガスは、空気中の二酸化炭素としてはごくわずかしか含まれていないため、一般的には空気分離で製造することはありません。工業的には、石油化学プラントや製鉄所から発生する低純度の粗炭酸ガス(副生ガス)を精製した高純度の炭酸ガスが、液化炭酸ガス・ドライアイス製品となります。
水素は、工業用では主にアンモニアや苛性ソーダ、石油化学、製鉄などの大規模工場で副次的に発生する水素を精製し、高圧化した圧縮水素を製造しています。そのほかにも、天然ガスやメタノールといった炭化水素を水蒸気改質して水素を発生させることができます。
ヘリウムは大気中にはごくわずかにしか含まれていないため、地中の天然ガス田からの分離・精製に頼っています。また、ヘリウムは、米国・中東・アフリカ・ロシアの一部の天然ガス田にしか含まれていない希少資源であり、日本は必要量の全量を海外から輸入しています。
スマートフォンやタブレット、パソコンなどに搭載されるエレクトロニクスデバイスの製造に使用されるさまざまな特殊ガスの多くは、化学合成によって製造されます。エア・ウォーターでは、米国をはじめ海外から輸入した特殊ガスを、国内の特殊ガスセンターで品質管理し、全国のお客様にお届けしています。