当社は、今後のインド産業ガス市場における飛躍的な事業成長の布石として、当社の100%子会社であるAir Water India Private Limited(以下、エア・ウォーター・インディア社)による同国での事業推進体制に移行し、機動的な意思決定と積極的な設備投資により、大型オンサイトガス供給事業を中核とする事業成長戦略を推進していくこととしましたので、お知らせいたします。

 

当社は、2013年にインドローカルの産業ガス会社であるEllenbarrie Industrial Gases Limited (以下、エレンバリー社)に51%出資することでインド産業ガス市場へ進出し、以降、約8年間にわたり産業ガスの事業領域として川下分野に当たるローリー、シリンダーによる産業ガスおよび医療用酸素の供給事業をインド東部・南部地区において展開してまいりました。

 

こうした中で、当社は、2019年に産業ガスメジャーであるリンデ社および旧プラックスエア社(2018年にリンデ社に統合)の各インド現地法人から、同国で第1位、第2位の規模を誇る鉄鋼メーカーに対するオンサイトガス供給を中核とした産業ガス事業を買収しました。当社は、この事業買収によって、産業ガスの事業領域として川上分野に当たる大型深冷空気分離プラントによる産業ガス(酸素、窒素、アルゴン)の製造機能と、そこで製造した産業ガスおよび医療用酸素をローリー、シリンダーで供給する外販機能の事業基盤を獲得し、インドにおける産業ガスメーカーとしての確固たるポジションを確立しました。なお、これら事業の運営は、当社100%子会社であるエア・ウォーター・インディア社が行っております。

 

インドでは、政府が2030年までに年間の国内粗鋼生産量を現状の約3倍となる3億トンにまで拡大する政策を掲げるなど、今後、さらなる経済発展に伴って旺盛な鉄鋼需要が想定され、現時点においても新たな高炉建設が相次いで計画されております。

 

このような同国での事業環境を踏まえ、当社は、これまで以上に機動的な意思決定により大型投資を伴う事業戦略を推進していくために、2021年7月28日付をもってエレンバリー社の持分株式をインド側の共同出資者に全株譲渡し、合弁事業を発展的に解消することといたしました。

 

今後、当社グループはインドにおいて、エア・ウォーター・インディア社による事業推進体制の下、今後ますます拡大が予想される同国の産業ガス市場に対して、日本での長年の経験と実績により培われた大型から中小型までのフルラインナップによるガス製造プラントの技術を基軸に鉄鋼向けをはじめとしたオンサイトガス供給事業を拡大するとともに、旺盛なガス需要に対応した産業ガスの製造・輸送インフラのネットワーク構築を進め、北部・西部地域進出も視野に同国での産業ガス事業を拡大してまいります。

 

(ご参考)
  エア・ウォーター・インディア社の概要
  会  社  名  :Air Water India Private Limited
  本社所在地:インド共和国西ベンガル州コルカタ
  事業内容 :産業ガス、医療用ガスと関連機器装置の製造・販売
  売 上 高  :125億円(2021年3月期)

エレンバリー社の概要
   会  社  名  :Ellenbarrie Industrial Gases Limited
 本社所在地:インド共和国西ベンガル州コルカタ
 事 業 内 容:産業ガス、医療用ガスの製造・販売
 売 上 高  :25億円(2021年3月期)

【本件に関するお問合せ先】
◇ エア・ウォーター株式会社 広報・IR部 中井・石井
〒542-0081 大阪市中央区南船場2丁目12番8号
TEL:06-6252-3966 E-mail:info-h@awi.co.jp