近年、地元で生産されたものを地元で消費する”地産地消”への関心が高まっています。地産地消の取り組みは、消費者にとっては身近な場所で新鮮な農産物を手に入れることができる、生産者にとっては消費者と近い関係にあるからこそニーズを的確にとらえた効率的な生産を行うことができるなど、双方に様々なメリットがあります。こうした地産地消の最たるものとして、全国各地にある農産物直売所が注目されています。

エア・ウォーターは2021年、『産直市場よってって』を展開する株式会社プラスをグループの一員として迎え入れました。『よってって』は近畿エリアで30店舗(和歌山15、大阪9、奈良6店舗)を構え、さらなる多店舗化を推し進めています。第一次産業における高齢化や後継者不足が叫ばれる中、農水産業の活性化はもとより、日本の食料自給率の向上に貢献するという想いを胸に、プラスが生み出す‟プラス“効果とは?

 

7/26 よってって有田店新オープン前の様子
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7/26 よってって有田店新オープン前の様子

スーパーとは違う!産直市場とは?

『産直市場よってって』はスーパーとは違い、生産者さん自らが値段を決め、収穫後に直接店舗へ出荷・陳列しています。そのため、新鮮な野菜や果物、花などを市場を通さずに直接購入できるので、「新鮮」「安心」「安価」な地場産の食材をお買い求めいただけます。

実際に『産直市場よってって』のてんしば店に伺いました!てんしば店は大阪市天王寺区にあり、天王寺駅を降りてすぐの好立地です。都心部にありながら各地域の新鮮で旬な産物を手に入れることができます。また、近くには通天閣、あべのハルカス、天王寺動物園、大型ショッピングモールなどがあり、多くの方で賑わっていました。

商品一つひとつに生産者さんがおすすめの調理法などを記載した手書きメモが同封されてある商品がいくつか見受けられました。また、こだわりや商品紹介などが書かれたポップもあり、消費者が手に取りやすい工夫が施されており、楽しく買い物することができました!

また、生産者が商品を陳列した際には店内放送でお客様にお知らせするなどライブ感を重視、お客様により楽しんでいただける店舗運営を心掛けています。近隣には量販店や大型スーパーマーケットも多いですが、直売ならではの強みを活かし、新鮮な地場産品を地域の方々に味わってほしいという想いで生産者やお客様とコミュニケーションを図っています。

輸送時のCO2排出量を削減、フードロスも低減し、SDGsへの貢献性を‟プラス“。

店頭に並ぶ産物が地元産中心ということは、他地域からの長距離輸送が少なく、輸送時のCO2排出量削減につながります。食料の輸送量と輸送距離を掛け合わせた「フードマイレージ」の低下にも寄与します。また、市場の規格に合わず、今まで販売できなかった産物も、『よってって』では生産者が自ら値段を設定し、店頭に陳列することができるので、無駄なく市場に提供することができます。このようにして、鮮度や栄養価の高い地元食材を食べる「地産地消」の取り組みが、SDGsそのものであると言えます。

直接生産者に感謝を伝え、和歌山県内の生産者をサポート

2020年には「生産者共栄会」を発足。日頃の感謝の意を生産者に伝えるとともに、桃や梨、ぶどう、みかんといった主力商品の出荷が始まる前に、前年の振り返りや作付け状況などを共有する貴重な場です。生産者とタイムリーに作柄の情報共有を行いながら、新たに出荷してくれる生産者を探し「共に栄え」ていくための大切な機会です。
また、2018年によってって創業者が個人で設立した「公益財団法人プラス農業育成財団」では、和歌山県内の新規就農者への助成金による支援事業、農業振興や農産物の品質向上、青年農業者の育成などに尽力している優秀農業者を表彰する取り組みを行っています。生産者の高齢化と後継者不足、耕作放棄地の拡大、国内の食料自給率の低下が進む中、これらの課題を少しでも解決できるよう農業と生産者を応援しています

エア・ウォーターグループは、農産物の調達から開発・加工、販売までのバリューチェーンと全国をカバーする食品物流ネットワークを活かし、「畑から食卓まで」を担っています。さらにこれから、地域事業会社とプラスが連携し『産直市場よってって』は地域への展開を目指します。地産地消の輪を広げることで、持続可能な農業に貢献し、人々のウェルネス(健やかな暮らし)を支えていきます。

 

更新日:2023年8月