エア・ウォーターグループは、「ウェルネス（健やかな暮らし）」の実現を目指し、医療・介護・防災関連製品・サービスを展開するヘルス＆セーフティー事業により、人々の健康を支えています。
中でも、「お口の健康」に関して、健康な歯を取り戻せる歯髄再生治療をはじめ、歯科クリニックや技工所向け義歯材料の製造・販売、歯科診療用品の通信販売など、さまざまな事業を展開しています。
今回は、お口の状態を良好にすることで体の健康につながると言われている「口腔ケア」と、エア・ウォーターグループの川本産業（株）が展開する口腔ケア製品“マウスピュア”シリーズについて、ご紹介します。
私たちは、日常生活において食べることを自然と行っています。しかし、老化や病気などにより唾液の分泌量が低下していくと、お口の中が乾燥したり、食べ物が噛みにくい、飲み込みにくいといった症状によりお口で食べることが難しくなります。そういった方は誤嚥性肺炎を引き起こすリスクが高くなります。
健康的な口内環境を保ち、いつまでも好きな食事が食べられるという患者さんの生きる楽しみを作り続けるために、大切なのが日常的な口腔ケア。口腔内を清掃・リハビリすることで、お口本来の機能や状態を取り戻し、自らのお口で食べられるようになることを目指しています。
川本産業では2000年初頭より口腔ケア製品を販売しており、2006年からは口腔ケアをトータルサポートする“マウスピュア”シリーズを展開しています。もともと、医療用ガーゼなどの医療・衛生材料のメーカーとして1914年に創業し、保健衛生の向上に貢献する製品開発を行ってきました。
その中で口腔ケア製品の開発に着手した理由は何でしょうか？発売当時、開発に携わっていた川本産業 取締役執行役員の小澤さんにお話を聞きました。
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- 川本産業株式会社 取締役執行役員
小澤 徹也さん
日本は、国民の４人に1人が65歳以上である超高齢社会を迎え、世界一高齢化が進んだ国です。要介護の高齢者の増加や核家族化の進行、介護職の離職率の増加といった社会問題を背景に、社会全体で高齢者を支え合っていく仕組みとして介護保険制度が2000年に施行されました。
開発部門に所属していた当時、「眼・鼻・口などの粘膜に関する不満や悩みを解決する製品を作る」という方針のもと、「高齢化社会の問題を解決する製品を作りたい」という想いを持ちました。介護が必要になる病院や施設、在宅介護に関わりのある当社の強みを活かせるのではないかと考え、死亡原因で上位だった肺炎に着目し、予防のための口腔ケア製品の開発をスタートしました。
現在では、医療機関や在宅において口腔ケアが行われていますが、2000年代初頭の発売当時は、医療従事者でも口腔ケアという言葉を知らない人も多く、当然普及率も低いため製品の説明や販売よりも、口腔ケアの必要性を広めるために歯科衛生士さんと全国の医療施設を駆け回りました。
当時は、それほど知られていなかった口腔ケアというワードを広めるために、「口腔ケアスポンジ」「口腔ケア綿棒」など、製品名の頭に「口腔ケア」という名称をつけました。口腔ケア製品のシリーズとして「マウスピュア」ブランド名の祖は、2006年に発売した「口腔保湿剤マウスピュア」になります。
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- 2006年発売「口腔保湿剤マウスピュア」（左）と現在発売中の「口腔ケアスポンジ」（右）
歯科医師や歯科衛生士、言語聴覚士の方から口腔ケアを行うことによって口腔環境が改善し、患者さんが元気になったエピソードをたくさん聞きます。
例えば、誤嚥性肺炎を繰り返し発症していた方に口腔ケアを継続的に実施したことで熱を出さなくなった、流動食しか食べられなかった患者さんが徐々に固形物を食べられるようになった、などです。
皆さんが口を揃えておっしゃるのは、「患者さんの表情が明るくなった」ということです。表情が明るくなることで、ご家族の方が積極的に介護に参加してくれるようになり、患者さん本人にもより一層笑顔が増えたというお話もあります。口腔ケアによって、患者さんの生きる楽しみを増やすだけでなく、ご家族など周りの方にも良い影響を与えています。
今後も予防・リハビリに関わる製品づくりを推進していくとともに、口腔ケアの必要性や大切さを広く理解してもらうための情報発信にも注力し、口腔ケアを通じた多くの人々のQOL向上に貢献できるように努めていきます。
マウスピュアのブランドサイトでは、口腔ケアについての簡単な説明動画やお役立ちコラム、製品の使用方法などを公開しています。ぜひご覧ください。
