エア・ウォーターグループは創業以来、空気や水などの地球に存在する資源を利用し、多彩な技術や独自のビジネスモデル、ノウハウと掛け合わせることで、暮らしや産業にとって必要不可欠な価値ある製品やサービス、ソリューションへと進化させ、安定的に持続可能な形で提供し続けてきました。

ここでは、当社グループが有する経営資源の強みと成長戦略をご紹介します。

エア・ウォーターの強み

多様な事業活動を通じ、長年築き上げてきた当社ならではの強みを紹介します。

1.多様な事業領域、高シェア製品・サービス

「地球環境」と「ウェルネス(健やかな暮らし)」という2つの事業軸のもと、「デジタル&インダストリー」「エネルギーソリューション」「ヘルス&セーフティー」「アグリ&フーズ」の事業ポートフォリオにより、いかなる経営環境下においても安定した成長を実現しています。それぞれの事業領域における高シェアの製品・サービスが成長投資の源泉となる安定した事業収益を生み出します。

2.地域密着の事業基盤

全国に張り巡らされた事業拠点のネットワークが地域に密着した事業展開と多様な事業領域の融合による成長戦略を可能にしています。

(2023年3月末時点)

3.事業を支える技術資源

多様な事業領域で培った技術資源を活かし、製品・サービスの高付加価値化や顧客ニーズに対応するソリューションを実現しています。

エンジニアリング人材(2023年3月末時点)

産官学連携プロジェクト数、グループ研究開発人員(2023年5月末時点)

4.グループが擁する多様な組織と人材

エア・ウォーターグループでは、多彩な経験や能力を有する従業員が、様々な企業文化が融合された企業風土の中で、多様性を活かして活躍しています。

(2023年3月末時点)

成長戦略

エア・ウォーターグループは、国内における地域戦略、海外戦略、技術戦略、M&A戦略の4本の柱で今後の成長をはかっていきます。

1.地域戦略

エア・ウォーターグループの地域事業構想は、1995年より各地域の販売会社を事業主体として、産業ガス・医療用ガスの販売をメインとした地域密着型の事業展開をスタートしたことに始まります。

成熟化が進む国内市場でさらなる持続成長を図るためには、より顧客に近いポジションで顧客のニーズを汲み取るマーケットインの視点に立つことが不可欠です。地域に密着した事業基盤を活用することで、エア・ウォーターグループが有する多彩な技術・製品・サービスをアレンジし、地域のニーズに合った新市場の掘り起こしを推進するとともに、地域の課題解決に貢献していきます。

 

2.海外戦略

エア・ウォーターグループの海外戦略の基本方針は、国内事業の強固な収益基盤を基にした投資戦略によって、市場の拡大とともに高い収益性が見込める海外事業を拡大し、全体の成長をけん引していくことです。

国内と同様に確かな収益基盤と多角化の軸となる産業ガス事業およびエンジニアリング事業を柱に、現地パートナーと連携し、インド・北米での産業ガス事業を中心に海外事業のさらなる拡大を図っていきます。

  • インド市場戦略

急拡大が見込まれるインド鉄鋼市場を背景に、成長を加速するための事業基盤を強化

  1. 鉄鋼向け大型オンサイト案件の獲得
  2. 液化ガスプラント・シリンダー充填所の新設による拠点拡充
  3. エンジニアリング体制の拡充

 

  • 北米市場戦略

米国版「VSU」戦略を基軸に産業ガス供給事業を開始、早期に複数エリア展開を目指す

  1. ディストリビューターのM&Aと米国版「VSU」戦略の促進
  2. 三井物産㈱のネットワーク活用によるオンサイトガス供給の獲得
  3. 水素・脱炭素関連の需要獲得

3.技術戦略

エア・ウォーターグループの技術戦略は、グループ全体の技術戦略プラットフォームとしての役割を担う「グループテクノロジーセンター」が中心となり、技術資源のグループ一元化やオープンイノベーションを通じて、当社グループの多様な技術領域を融合し、時代の先端をいく技術イノベーションを生み出していきます。
具体的には、従来から保有するガス・医療・食品関連などの技術領域に加え、この数年間で外部から獲得した画像処理や遠隔通信などのデジタル関連技術を活用。「地球環境」と「ウェルネス」を軸に、「カーボンニュートラル社会」「スマート社会」「食料自給率向上」「健康寿命延伸」といった社会課題の解決に資するテーマを中心に技術開発を進めます。特に、CO2分離・回収、バイオマス資源循環、省エネルギー、スマート農業・養殖、機能性表示食品、遠隔医療・リハビリなどの技術開発に注力し、地域の事業基盤を活かした新事業の創出につなげていきます。

 

 

新事業創出に向けた技術開発
拡大
新事業創出に向けた技術開発

4.M&A戦略

エア・ウォーターのM&Aは単なる「足し算」ではなく無限の可能性を膨らませる「掛け算」の方式です。M&Aは、他社が蓄積した技術やノウハウ、人脈、取引関係を一気に引き継ぐ手法であり、言い換えれば、その会社が費やした「時間」と育てた「人材」を買うことだと考えています。

2000年以降から現在まで、合計236社がM&Aによりグループ入りとなりました。(2022年3月末時点)

各社の自主独立を重んじながらも、グループの経営理念や行動指針を共有することで、各社の組織風土や人材、技術などの資産をうまく融合させ、シナジーを追求し、新しい価値を生み出していきます。

 

主なM&Aの実績

※社名等はグループ入り時点のもの

デジタル&インダストリー

川崎化成工業(株)(ケミカル事業の拡大)

タテホ化学工業(株)(海水事業への参入)

Linde India Limitedの一部事業(インドの産業ガス事業の拡大)

Praxair India Private Limited の一部事業(インドの産業ガス事業の拡大)

ヘルス&セーフティー

川重防災工業(株)(医療設備・防災事業への参入)

東京エアゾル化学(株)(エアゾール事業の強化)

アグリ&フーズ

雪印食品(株)北海道工場(食品事業への参入)

ゴールドパック(株)(飲料事業への参入)

その他

(株)日本海水(海水事業の拡大)

Hitec Holding B.V.(高出力UPS システム事業の拡大)

 

 

価値創造に向けて

エア・ウォーターグループはパーパスである「地球の恵みを、社会の望みに。」をコンセプトに、当社グループが有する4つの強みと4つの成長戦略を軸に多様な経営資源を活かし、価値を創出し続けていきます。

今後も、事業活動を通して地域に密着し循環型の社会を目指す「地球環境」システムの実現と、高齢化社会における健康維持などの「ウェルネス(健やかな暮らし)」の実現を目指してまいります。