近年の研究開発成果

ガスプロセス技術

世界初のアルゴン併産タイプ 小型製造装置
高効率アルゴン回収型 液化ガスプラント「VSUA」

VSUシリーズの特殊型機である「VSUA」は、世界初となるアルゴン併産機能を持つ高効率小型液化ガスプラントです。
アルゴンは空気中に約0.93%しかふくまれていないため、大型プラントで大量の酸素・窒素を生成する際に併産する方式が一般的ですが、小型プラントであっても低コストでのアルゴン生産を実現する世界最高レベルのアルゴン回収率を達成する精製技術の独自開発に成功しました。これを従来のVSUに付加することで、液化アルゴンの生産が可能な小型プラントの開発を実現しました。

低温機器技術

革命的な長寿命化を実現 LNGにも適用可能に
竪型気液2室構造 液化ガス用遠心ポンプ「VCPシリーズ」

新型遠心ポンプ「VCPシリーズ」は、革新的な長寿命化に加えて、無漏洩化、小型・軽量化、低騒音化を実現した液化ガス用ポンプです。
この新型ポンプは、「モータ部」と「ポンプ部」がそれぞれ独立した「竪型気液2室構造」という独自構造の採用によって、従来のポンプと比べて約20~80倍のメンテナンスサイクルを実現したことで、24時間稼働のプラントプロセスにも適用が可能となっています。また、無漏洩化により可燃性ガスであるLNG(液化天然ガス)の分野にも適用しています。

エネルギーソリューション技術

国内初のLPガス発電燃料 移動電源車
100kw発電タイプ LPガス仕様 移動電源車

「LPガスを発電燃料とした移動電源車」の開発は、国内においてはエア・ウォーターが初めてとなります。
この電源車の最大の特長は、緊急災害時においても発電燃料(LPガス)の確保が容易という点にあり、最大発電能力は一般世帯40世帯に相当する100kwを有しています。また、非常用電源としても役立てられることから、自治体や病院、一般企業などに向けて、多様なラインアップでお客様のニーズにお応えしていきます。

炭素材技術

エンジニアリングプラスチックに 適用可能な難燃剤
ノンハロゲン難燃剤 高温熱膨張性黒鉛「MZ-285」

「高温誇張性黒鉛MZ-285」は、加熱により誇張し不燃層となって優れた保温・断熱特性を発揮するノンハロゲン難燃剤「熱誇張性黒鉛」の誇張開始温度を、220℃から285℃まで高めた製品であり、これの量産化体制を整えました。
「熱誇張性黒鉛」は、従来より発泡ウレタンの難燃剤に適した製品として、自動車や航空機、列車のシート材の難燃剤、窓枠・ドアのシーラント剤として利用されてきましたが、この開発製品により高温処理が可能となったことで、成型加工温度の高いPBT(ポリエステル)やPC(ポリカーボネート)などのエンジニアリングプラスチックへの適用が可能となりました。

ケミカル関連

フェノール系硬化剤の設計技術 電子材料用機能性樹脂
高耐熱で低誘電正接を両立した硬化剤

当社の強みであるフェノール系硬化剤の設計技術を活かし、エポキシ樹脂系パッケージ基板ビルドアップフィルム用に高耐熱で低誘電正接を両立した硬化剤を開発しました。電子材料用機能性樹脂として、低誘電基板材料などの他用途へも展開していきます。

医療関連技術

国内唯一の薬事業承認取得済み 吸入用NOガス
新生児肺高血圧症向け 一酸化窒素製剤「アイノフロー」

「アイノフロー」は、肺動脈が収縮した呼吸不全状態の改善に効果を持つ一酸化窒素製剤(NOガス)です。
エア・ウォーターでは、1993年より米国アイノ・セラピューティックス社との共同開発をスタートし、2002年に希少疾病用医薬品としての指定を受けた後、臨床試験をクリアし、従来にない新しいガス性医薬品として2008年に薬事承認を受けました。その後、名古屋大学医学部付属病院での初の臨床を経て、現在では、総合周産期母子医療センターや新生児特定集中治療室(NICU)を持つ全国医療機関への導入が進んでいます。

金属表面処理技術

熱処理工程の効率化と省エネに貢献する 新浸炭ガス
CO:H2=1:1組成の熱処理用ガス

新たに開発した浸炭ガスは、浸炭雰囲気に適したCO:H2=1:1組成の熱処理用ガスです。当社独自のCH4(メタン)改質技術により、従来の雰囲気ガスより高CO濃度のガスを連続的かつ安定的に発生します。
本浸炭ガスは、カードル容器を用いて圧縮ガスとして供給することで、導入後のメンテナンス負荷が少なく、従来雰囲気ガスのバックアップとしても使用できます。
現在は、本浸炭ガスを用いた浸炭時間短縮プロセスを提案し、お客様所有の浸炭炉による実証試験を展開中です。これまでの成果では、30%の時間短縮効果が得られており、熱処理工程の効率化および省エネ手法として期待されています。

新規材料技術

GaN パワーデバイス・高輝度LED用基板
3C-Sic on Si ヘテロエピウェーハ

エア・ウォーターのGaN(窒素ガリウム)用基板である3C-SiC on Si(111)ヘテロエピタキシャルウェーハに独自の「エピタキシャル成膜技術」を用いてSiCをヘテロエピタキシャル成長させた、GaNの成長に適した基板です。同技術は、長年に渡って研究開発を続けてきた超高純度ガスの応用技術であり、これにより大面積かつ安価なSiC成膜技術の開発に成功しました。
同基板はGaNパワーデバイスおよびGaN LED向けにバッファー層を簡略化でき、かつ市販のシリコンウェーハを用いるため、2インチから大口径8インチまでの幅広く提供することができます。