二酸化炭素を原料とするCO発生装置の外観
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二酸化炭素を原料とするCO発生装置の外観

エア・ウォーターでは、産業ガスで培ったコア技術を用いた研究開発を中核に据え、ガス分離・精製プロセスの改善や新たなアプリケーション開発などに取り組んでいます。近年では、市場ニーズに沿った事業の未来を見据え、研究開発テーマを設定し、社会に貢献する様々な成果を生み出しています。

二酸化炭素を原料として使用する

エア・ウォーターは、2019年12月に「高純度一酸化炭素発生装置」を開発し、お客様の工場へ設置を行いました。酸素、窒素、水素などのガス発生装置のラインナップに、一酸化炭素が新たに加わることになりました。
この装置は、都市ガスに含まれるメタン(CH4)、そして二酸化炭素(CO2)、酸素(O2)を原料とし、「熱中和型改質触媒を利用したCO2改質反応」と「特殊吸着剤を採用したガス精製プロセス」を組み合わせたもので、一酸化炭素を98%以上の高純度で製造できるようになりました。特に、カーボン析出(反応により煤が発生すること)を抑制できる新たなプロセスを採用したことで、長期間の安定運転を実現しています。
また、この装置は、温暖化の原因となる二酸化炭素を原料として活用する、新たなCO2アプリケーション技術でもあります。カーボンニュートラルの実現には、回収や貯留だけでなく、出てきた物質の有効利用という観点も欠かせません。さらに、副生された二酸化炭素は原料として再利用し、水素も燃料等として活用することができるため、環境負荷低減に貢献します。

新しい時代の要請にチャレンジする技術革新

一酸化炭素は、常温・常圧において無色・無臭・可燃性の気体で、有機物が不完全燃焼を起こすと発生し、強い毒性があることで知られています。しかし、産業分野においては重要な化合物であり、化学原料や還元剤として用いられます。国内では、ポリウレタンなど化学原料の製造や金属の熱処理用途において、一酸化炭素が使用されており、今後も堅調な需要が期待されています。
これまで金属熱処理業界において一般的に使用されている、吸熱型変性ガス(商標:RX ガス)を原料とした一酸化炭素発生プロセスと比較すると、本装置は二酸化炭素排出量を約50%削減することができ、NOx、SOxなどの環境汚染物質も排出しません。

今後、さまざまな場面において環境負荷低減が求められる循環型社会においても、さらなる技術革新を進め、新たな社会価値の創造にチャレンジしていきます。