北海道(苫小牧)と本州(大洗)を結ぶフェリー航路
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北海道(苫小牧)と本州(大洗)を結ぶフェリー航路

北海道における高圧ガス輸送がエア・ウォーターグループの物流事業のはじまりですが、現在では、全国に100以上の拠点を置き、国内全域をカバーする物流網を築いています。なかでも、北海道と本州双方で、大型のシャーシ(コンテナ等を積載する台車)をやり取りする輸送システムは、用途や物量に応じて柔軟に対応できるメリットから多くのお客様に利用されており、物流の効率化や環境負荷の低減などに貢献しています。

フェリー航路ネットワークによるモーダルシフトを推進

海上コンテナを運搬するトレーラーシャーシー
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海上コンテナを運搬するトレーラーシャーシー

トラックによる貨物輸送を海運や鉄道などの大規模運送に転換し効率化を図る「モーダルシフト」 と呼ばれる取り組みが近年注目されています。日本の部門別のCO2排出量は、運輸部門が約19%、そのうち約37%がトラックによるものです。モーダルシフトが進むことで、トラックの走行量や輸送距離が減少し、CO2排出量の削減に貢献します。また、個別に配送する場合に比べて、交通渋滞やガソリンなどの化石燃料の消費減にも寄与します。加えて、人材不足が顕著な長距離トラックのドライバーの働き方改革にも役立ちます。

 

こうしたなか、エア・ウォーターでは、陸送と海上輸送を組み合わせた幹線輸送に力を入れています。苫小牧と八戸・仙台・大洗などを結ぶフェリー航路ネットワークと、トラックによる地域幹線輸送を組み合わせ、お客様の輸送ニーズに全国ネットワークでお応えしています。自社シャーシは500本以上を保有。運ぶものは、建設資材から工業製品、食品や農産物などさまざまです。保管や品質管理を含めた最適な物流システムとコストを見極め、お客様のニーズに即した物流ソリューションを提案しています。

輸送部門のさまざまな課題を解決する 具体的な提案を

2019年に開設した北関東物流センター
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2019年に開設した北関東物流センター

北海道と本州を結ぶフェリー航路の中でも圧倒的な貨物量を誇るのは、首都圏を結ぶ苫小牧~大洗間のシャーシ輸送です。より競争力のある物流サービスを展開すべく、2019年、大洗町の近隣に「北関東物流センター」を開設、さらに2021年には「苫小牧物流センター」を開設しました。物流センターでは、各地から集荷した貨物を保管し、行先に応じて小・中ロット貨物の積み合わせを行う共同センターとしての機能を担います。発着本数のバランス化や積み荷の積載率を高め、輸送業務の効率化を進めていきます。

 

輸送時のCO2排出量の増加やドライバーの長時間労働といった物流課題に対しては、現実的な解を持つことが大切です。今後も積載量の大きいトレーラーの配備や陸上・海上輸送の満車化など具体的な取組みを続けていきます。

 

公開日:2020年10月

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