スペシャルコンテンツ水・環境ソリューション

#03海水に秘められた無限の可能性を追い求めて
塩づくりから「海水産業」を確立し、地域社会に貢献する

赤穂御崎から瀬戸内海を臨む-エア・ウォーターを体現する景色

株式会社日本海水はエア・ウォーターグループの中で、地球の貴重な海水資源を生かした事業を展開している会社の一つ。いつの世も人々の暮らしに欠かせない、「塩」を安定的に供給するだけでなく、新事業の創造と地域の人々に貢献する企業姿勢を貫いている。製塩分野の国内トップメーカーにとどまることなく、海水や製塩に由来する資源と技術を活用することで、「海水産業」へと事業領域を着実に拡大させている。空気と水、さらにそれらが混在するところに、エア・ウォーターの求める事業がある。その可能性を探る。

伝統を継承しながら地域に密着した製塩業を展開

赤穂は古くから塩田が広がり塩の産地として知られる

瀬戸内地方は、温暖な気候に恵まれ、はるか昔より塩づくりが行われてきた。その後、瀬戸内の製塩はますます盛んになり、江戸時代には日本全体で消費される塩の9割近くを生産するまでになった。昭和に入ると「流下式塩田」そして「イオン交換膜法」へと製塩技術が格段の進歩を遂げていく。特に赤穂は高い品質の塩を生産し、讃岐は日本一広い塩田を有していたこともあり、今日でも、ともに日本を代表する塩の産地として全国の人びとから支持され続けている。

2007年にエア・ウォーターグループの一員になり、現在、日本の塩業界のリーディングカンパニーである株式会社日本海水は、地域に根ざした伝統ある製塩業で成長。赤穂工場をはじめ、讃岐工場(香川県坂出市)、小名浜工場(福島県いわき市)、熊本工場(熊本県玉名市)の4拠点で、塩事業をコアとした多彩な事業を展開しながら、地域の雇用を創出し、その経済を支えている。

  • 真空蒸発缶で海水を煮詰めることで一般塩ができあがる
  • できあがった塩は袋詰めされ全国へ配送される

製塩技術の発展により地球環境への貢献を果たす

海水中からホウ素を除去する技術を基に開発された吸着剤

日本海水では、伝統的な日本の製塩技術を高度に洗練させた「イオン交換膜透析槽」を世界に先駆けて導入。100万分の1mmレベルの微細な汚れや不純物を除去し、品質と安全性を大幅に向上させ、国際規格であるISO9001(品質マネジメントシステム)やISO14001 (環境マネジメントシステム)の認証を取得している。さらに、製造するすべての塩関連商品についてハラール認証を取得し、徹底した品質管理と環境マネジメントにより、安心で安全な製品への信頼性を確保。リーディングカンパニーとしての責務を果たしている。

このような海水資源や製塩事業の資産を生かし、独自技術を応用した「環境事業」を展開する。そのひとつは、塩製造の副産物であるマグネシウムを活用した水酸化マグネシウム事業だ。通常、マグネシウムは塩の製造工程で塩分抽出後の海水に残るのだが、これを製品化した「水酸化マグネシウムスラリー」(懸濁液)は、火力発電業や石油精製業、産業廃棄物処理業などの排煙脱硫、酸性排水中和などに利用されている。

さらに、海水中のホウ素除去技術から生まれたリード事業もある。リードは「Rare earth adsorbent(希土類吸着剤)」の頭文字で、吸着剤に通水するだけでヒ素、フッ素、ホウ素などの環境汚染物質が除去できる。これは工場排水や発電所の脱硫排水、自然由来の湧水処理など、幅広い分野に用いられ、水処理以外にも、トンネル工事などの際に発生した汚染土壌処理(吸着層工法)などで使用されており、より幅広く持続可能な地球環境への貢献を果たしている。

  • 水酸化マグネシウムスラリーは工場の排煙処理に使われる
  • トンネル採掘などで採掘された土壌から有害物質の溶出を抑制する

製塩を発端に地域への環境保全に着目した電力事業を展開

塩づくりに使う蒸気と電気は、環境に配慮した自社発電所から供給

製塩には、海水の濃縮から製品化までに大量の電気と蒸気を使用する。自家発電を行っていた赤穂工場では、2015年に老朽化した発電設備の更新・新設を契機に、将来を見据えた環境配慮型の発電設備を導入した。熱(蒸気)も無駄なく利用するコージェネレーションシステムであるバイオマス発電所と、天然ガスを利用するガスタービン発電所の2 基を設置。さらに工場で使用する以外の電力は電力事業者へ販売している。その発電量は赤穂市全世帯の消費電力の2倍に相当する電力量を誇る。

さらにバイオマス発電は、赤穂市全体のCO2排出量を約4%削減することにも貢献しており、燃料である間伐材の使用は、地域の林業や木材産業の振興にもひと役買っている。山から海へ、という豊かさの循環を生み出し、治山治水まで考えたシステムを構築している。

  • 木材資源に価値を見出し、活かして使う
  • 再生可能エネルギーによる電力供給事業は日本海水のコア事業へ

社会への責任を全うし「海水産業」で地域社会の発展に寄与する

  • 海水資源を農業用の肥料として活用
  • 海水由来のミネラル成分を添加したミネラルウォーターも提供

製塩を主軸にした「海水産業」はさらに領域を広げ、食品と農業、そして水にまで至る。九州・有明海産の海苔製品の製造販売や、海水から三大肥料の一つである塩化カリウムを採取し、肥料メーカーに供給する。さらに、讃岐工場の製塩過程で得られる蒸留水を純水化し、これに海洋由来のミネラル成分を添加し、飲料水として出荷している。

地域貢献にも積極的に取り組む。製塩工場が立地する赤穂と讃岐では、経済面や雇用面でも地域と密接につながっている。塩の街・赤穂市のイベントでは、長年にわたり「塩の像」や「塩プール」などを提供していたが、この取り組みに市民は親しみを込めて“海水(かいすい)さん”と呼んでいる。讃岐工場でも、坂出市で開かれる塩まつりにブースを出展し、地域住民や観光客に日本海水の塩づくりをアピールしている。

「企業は、社会や地域の一員としての責任を全うし貢献していくもの」という方針は、日本海水の歴史ある長年の事業活動の中で、確かな企業風土となってこれからも息づいていく。

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