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窒素ガスの基礎知識

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「不活性ガス」が日本の産業を「活性化」する。

世界に誇れる産業へと成長した日本のエレクトロニクス技術。 その成長の傍らには、いつも「窒素ガス」の存在がありました。 当社は、窒素ガスでさまざまな国内産業に貢献しています。

液晶パネル、半導体、電子部品、太陽電池…
エレクトロニクス産業の成長は、常に「窒素ガス」とともに。

■デジタルライフと「窒素ガス」

 私たちが日々の暮らしの中で「窒素ガス」の存在を感じることは、ほとんど無いと言っても過言ではありません。しかし、現代生活において必要不可欠な役割を担うスマートフォン・携帯電話などの通信機器や、薄型テレビをはじめとするデジタル家電全般、あるいは今話題の太陽電池を使ったソーラー発電システムなど、これらの製造過程では必ず大量の「窒素ガス」が利用されていることをご存知でしたでしょうか。

■エレクトロニクス産業と「窒素ガス」

図:エレクトロニクス産業と「窒素ガス」

 エレクトロニクス産業の中で不可欠な役割を果たす「窒素ガス(N2)」。その窒素ガスの代表的な性質の一つに、「他の物質と反応を起こさない化学的に安定したガス」という「不活性ガス(Inert Gas)」としての役割があります。
その最たる例として、半導体の製造工程における「雰囲気ガス」用途があります。「雰囲気ガス」とは、簡単に言うと、特定の空間において「酸素のない状態(雰囲気)をつくりだすために、その空間を窒素ガスで満たす」というものです。
 半導体といえば、パソコンから携帯電話、家電製品、デジカメ、カーナビ、ゲーム機、自動車など、あらゆるエレクトロニクス製品に欠かせないものとして、世の中に広く普及しています。しかし、そんな半導体の膨大な生産ラインに少しでも酸素が存在すると、半導体のシリコン物質が一瞬にして酸素と化合、酸化皮膜を形成することで表面加工が不可能となってしまうため、常に「酸素のない雰囲気」で作業を進めていくことが不可欠となります。これだけでも、いかに窒素ガスが不可欠な存在であり、かつ大量消費されていることがお分かりいただけるでしょうか。
 また、こうした「雰囲気ガス」としての用途は、半導体製造に限らず、液晶パネルや電子部品をはじめとするエレクトロニクス分野においても同様に存在します。
さらには、「パージガス(密閉空間・配管内などの不純な滞留ガスの置換法)」や「キャリアガス(特殊材料ガスの濃度調整)用途」など、窒素ガスの活躍の領域はさまざまです。エレクトロニクス産業の成長の道のりは、常に「窒素ガス」とともにあったと言っても過言ではないでしょう。

■エア・ウォーターと「窒素ガス」

 まず、日本のエレクトロニクス発展の歴史を遡ると、高度成長期における半導体の存在にスポットを当てることになります。半導体は、新たな「産業のコメ」と呼ばれるほど現代社会に不可欠なものとして、今や世界ベースで約27兆円もの大きな産業へと発展し、さらに成長を続けていますが、ガスユーザーとしての歴史は比較的新しいと言えます。
 この半導体産業を中心とするエレクトロニクス分野におけるガスユーザーの出現と成長は、ガスの流通に大きな変貌をもたらしました。とりわけ半導体産業は、その製造プロセス一つにしても窒素ガスをはじめ、酸素ガス、水素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、さらには数十種類の特殊材料ガスを必要とするなど、かつてない多様なガスの供給先として、エレクトロニクス分野の発展とともに、瞬く間に大きな産業ガス需要家となりました。

「V1」の1号機
「V1」の1号機

 そして1980年代に入ると、急成長を続ける半導体産業において、高純度窒素ガスの安定供給ニーズの一層の高まりとともに、半導体工場を都市部から地方分散立地する機運が高まり、液化ガスローリーのみによる窒素ガスの供給では、輸送コスト・配送効率の両面で限界が見え始めました。
そうした中で、エア・ウォーターは、現地生産(オンサイト)方式でガスを供給する小型の高純度窒素ガス発生装置「V1」を開発。この「ミニオンサイトプラント」は、コスト改善と安定供給を同時に実現する画期的なシステムとして、半導体産業向けを中心に、瞬く間に受注を伸ばしました。今日では、全国100基以上が稼動する「V1」ビジネスモデルとして、産業ガス業界で一定の地位を確立しています。

窒素ガスの性質

窒素(N2)は、無色・無臭の気体で大気中の約78%を占めています。常温・常圧では不活性、液化ガス状態では-196℃の極低温という特性をそれぞれ生かして、半導体や液晶パネルなどのエレクトロニクス産業をはじめ、化学工場や食品など幅広い産業分野で利用されています。

窒素ガスの製造方法

窒素ガスは、酸素ガス、アルゴンガスなどとともに空気から分離してつくられるため、一般的にはエア・セパレートガスと呼ばれています。代表的な製法には、「深冷空気分離法」、「PSA(圧力変動吸着)法」、「分離膜法」の3つがあります。 深冷空気分離の仕組みについては、こちらをご覧下さい。

深冷空気分離方式

V1
(窒素ガス発生装置)
独創的な発想と技術力で生み出された当社独自のミニオンサイトの高純度窒素ガス発生装置です。主に、半導体や液晶工場に隣接設置され、高品質で高純度の窒素を安定供給しています。
高純度窒素ガス発生装置「V1」
高純度窒素ガス発生装置「V1」
ASU
(大型オンサイトプラント)
主に、鉄鋼・化学などの大量に産業ガスを必要とする顧客工場内に設置し、酸素ガス・窒素ガス・アルゴンガスをパイピングにて長期安定供給する大型ガスプラントです。また、その際に併産される液化酸素・液化窒素・液化アルゴンは、ローリーにて全国に供給されます。
和歌山工場12号プラント
和歌山工場12号プラント
VSU
(地域分散設置型プラント)
従来の大量生産遠距離輸送方式のビジネスモデルに革新をもたらした、需要地立地型の液化酸素・液化窒素発生装置です。輸送コスト削減・省エネ、地域安定供給体制を確立した当社独自のビジネスモデルです。
静岡液酸VSU
静岡液酸VSU

PSA(圧力変動吸着)方式

窒素PSA装置 吸着剤に酸素ガスを吸着させることで窒素ガスだけを取り出す窒素ガス発生装置です。深冷空気分離方式と比較すると省スペースで、中・小規模のガス供給ニーズにも柔軟に対応することが可能です。
窒素PSA装置
窒素PSA装置

分離膜方式

分離膜式
窒素ガス発生装置
分離膜モジュールを使い、空気中の各組成ガスの透過速度の差を利用して、窒素ガスを製造するシステムです。窒素PSA装置と同様に、省スペースで安定的な中・小規模のガス供給を実現します。
分離膜式装置
分離膜式装置

窒素ガスの主な用途

化学 不活性ガスとして、化学工場やタンカーなどで、防火・防爆のための保安用として利用されています。
食品 酸化防止や風味保持の用途で、コーヒーやスナック菓子パックのパッケージに封入されています。また、液化ガス状態での極低温特性を利用し、食品などの急速冷凍にも利用されています。
低温利用 電力インフラにおける送電技術の超伝導分野において、従来の液化ヘリウムによる金属系超伝導材料の冷却に代わり、およそ1/20のコストとなる液化窒素による高温超伝導材料の冷却の実用化研究が現在進められており、将来のエネルギー問題解決に向けた研究成果が期待されています。
その他 高温・高圧化では窒化する特性を生かし、高品質な金属表面処理用として、耐摩耗性・耐溶損性を飛躍的に向上させる「NV 窒化処理」向けに利用されています。

ご参考Webサイト

日本産業ガス・医療ガス協会(JIMGA)ホームページ