ニュースリリース

エア・ウォーター、大阪府立大学と共同で世界初の8インチ基板 大口径SiC単結晶基板の製造技術を開発

2004年12月10日

エア・ウォーター株式会社
(証券コード 4088)
東証・大証 各一部・札証

エア・ウォーター株式会社(本社・大阪市、代表取締役会長・青木弘)は、このほど大阪府立大学と共同で、次世代 半導体材料として脚光を浴びる炭化ケイ素(SiC)の8インチ単結晶基板をエピタキシャル成長法で製造する技術を開発した。 8インチ SiC単結晶基板の製造は世界初。
SiC半導体は、現在主流のシリコン (Si) 半導体に比べ、バンドギャップ3倍、絶縁破壊電界10倍、熱伝導率3倍、飽和電子速度約3倍という優れた物性を有している。これを活用すれば、今までにない高耐熱・超低損失・高速動作のパワー素子の開発が可能になり、電子回路の革新につながると期待が集まっている。
しかし、これまでに開発されたSiC単結晶基板には、マイクロパイプ欠陥や転位欠陥と呼ばれる結晶欠陥がつきまとい、素子製造への大きな障壁となってきた。また、素子製造の効率を高めるために必要な大口径基板の製造技術も未確立である。
今回エア・ウォーターが開発したのは、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)基板の上に化学的気相成長法(CVD)に よってSiC単結晶層を成長させる技術で、製造工程はおよそ次のようになる。

  1. Si基板への埋め込み酸化膜 (SiO2) 層形成(SOI基板形成)
  2. 表面Si層の極薄化
  3. SiC種層の形成
  4. SiC単結晶層のエピタキシャル成長(VCE装置による)

このうち、SiC単結晶層の形成には、自社製品である高真空エピタキシャル成長装置(製品名VCE)が活用されて いる。
従来のSiC単結晶基板製造法には大別して昇華法と高温CVD法があるが、昇華法では2000℃、高温CVD法でも1500℃以上の高温を必要としていた。これに対して、エア・ウォーターが開発した技術では、1100℃という低温で、しかも大面積の単結晶成長が可能となる。これによって、より低コストの SiC単結晶基板製造が可能となり、新素子開発に弾みが付くと期待される。
実用化までには、今後、単結晶層の厚膜化、エピタキシャル成長速度の向上、膜厚均一化などの課題が残されているが、基本的な見通しはついている。将来の展望としては、青色発光ダイオードの結晶材料として注目される窒化ガリウム(GaN)とSiC単結晶の相性の良さに着目して、SiC単結晶基板上での「電子 ―光融合デバイス」形成を追求する計画だ。
なお、この「電子―光融合デバイス用複合半導体基板の開発」研究は、文部科学省の平成15年度産学官連携イノベーション創出事業費補助金(独創的革新技術開発研究)を受け、大阪府立大学先端科学研究所(溝端 朗 所長)と当社との共同研究として実施されている。

以 上

【本件に関するお問合せ先】
エア・ウォーター株式会社 広報室長  岸 貞行
〒542-0083 大阪市中央区東心斎橋1丁目20番16号
TEL.06-6252-5411 / FAX.06-6252-3965

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